作品№34
今回の作品は、「抑止力という名の理想論」です。最近、抑止力という言葉が、簡単に使われがちですが、よくよく考えると、抑止力って、結構な理想を前提しています。まず一つ目に、自分が相手より強いということ。それも、常に相手より強くないといけませんから、震災なんかが起きて、国の力が弱まったら、、、悲惨なことになりますね。次に、抑止と攻撃の判断を、どうやってするか。映画みたいに、わかりやすい悪者が攻撃してきたら、話は簡単ですけど、実際、喧嘩の原因なんかでも、突き詰めていくと、結局誰が悪いのか、一概にはいえませんし、そ ...
作品№33
監視社会の構造? 今回の作品は「パノプティコン」です。日本だと「一望監視システム」と表記されたりします。明治村に保存されている、「金沢監獄中央看守所」が有名。真ん中に監視する部屋があって、その周りを監獄で囲っている。そして監視する人からは囚人の様子が見えるんですけど、囚人側からは監視している人が見えない。要するに監獄にいる囚人としては自分が今監視人にみられているかどうかが分からない。でも見られているかも知れないから良い子にしておこう、という心情になるわけです。結果、実際に監視されている訳ではないのに自分で ...
作品№32
弁証法とは? 今回の作品は、「絶対弁証法」です。哲学好きの方であれば、「弁証法」という単語にピンと来ていると思いますが、みんながみんな哲学好きというわけではありませんので、軽く「弁証法」の説明をしておきます。 難しい話しは抜きにして、簡単な例を挙げましょう。定番なのは、カレーうどんの話です。「カレーライスが食べたい人」と「うどんが食べたい人」がいて、さて、カレーとうどんのどっちを作ろうかとなった時に、間をとってカレーうどんを作ろう。これでwinwin 、仲良し継続みたいな感じです。 一見すると、これはとて ...
作品№31
イデアとは? まず、イデアというのは、プラトンの著作で初登場する概念で、ざっくり言うと、真理とか、本当の世界、のようなものです。イデアという真理があって、その影のようなものとして、私たちの目に見えている世界がある。これがイデアという概念です。つまり、私たちの今見ている世界というのは、真理の世界の影のようなものだから、偽物の世界だ、というわけですね。この偽物の世界から抜け出して、イデアの世界、真理の世界に到達しよう、これがイデア論のおおよその世界観です。 私たちの今見ている世界は、偽物の世界だから、犯罪とか ...
作品№30
誤解される他力本願 他力本願って聞くと、なんとなく他人の力、他人任せ、ってイメージしていませんか?あの人はいつも他力本願だ!私は他力本願だから、自分では何もしない。こんなイメージで捉えられがちです。でも、他力本願というのは、本来仏教で生まれた言葉ですから、そもそも自分と他人みたいに、分けて考えること自体が、あやまりであるといえます。ここからここまでは自分で、ここからはあなた、みたいな分別をするから、「他力本願=他人任せ」みたいな解釈になっちゃうんです。 自分一人では生きていけない 他力というのは、ここから ...
作品№29
準備中
作品№28
今回の作品は、「実存共同」です。主に田辺元さんや京都学派の著書にでてきます。西田哲学を象徴する「述語」、そういっても差し支えないでしょう。私とあなたとの繋がりはもちろん、死者と生者との繋がりさえも徹底的に探求する「西田哲学」の魅力が、この絵で表現できていることを願います。 まず、実存というのは、サルトルなどに代表される「実存主義」の実存です。あるいは、ハイデガーの現存在とも同様の意味です。要するに、今ここにいる私っていうのも、もちろん存在ではあるんですけど、自分が生まれる前、あるいは死んだ後までも含めた、 ...
作品№27
今回の作品はこちら。戦争で死ぬのは、多分あなたです。この絵であらわしていることは、戦争に対しての当事者意識です。当事者意識がない人、たとえば、戦争になっても自分が前線にでることがないような人ほど、もう解決作は戦争しかない、、と安易に結論を出してしまう、そんな気がします。でも、自分が実際に前線に出て、殺すか殺されるかの選択を迫られている、そんな状況を自分ごととして想像できる人であれば、少なくとも、戦争の前に、もっとできることがあるんじゃないか、そもそも、戦争しかない、っていえるほど、自分たちは平和のための努 ...
作品№26
元ネタ 今回の作品は、「2022年5月2日<平和活動>」です。 この絵とタイトルを見て、ピンと来た方もいるかも知れませんが、この絵の元ネタは、ゴヤの「1808年5月2日、マドリード」です。あっ、間違えました、これは私の下手な模写です。 こちらですね。これを壁画っぽくリメイクしたのが、今回の作品です。 マニエリスム 壁画っぽくしつつも、実は私が一番この絵でこだわったのは、人体表現です。いわゆる「マニエリスム」を取り入れて、現実にはありえない、体の動きをさせています。*マニエリスムについてはこちら ...
作品№25
今回の作品は、「資本主義の動力源」です。言わずもがな、現代は資本主義の時代。お金がお金を生む時代です。お金があれば、何でも買える、不思議な時代。でも、普通に考えて、そんな魔法はないわけです。その裏には、それを成立させるための、血と涙の結晶があります。それが資本主義の動力源です。 私たちは、朝も昼も夜も問わず、お金さえ払えば、いつでもご飯にありつけます。少し余裕のある人でしたら、自分の家にご飯を持ってこさせることだって可能です。何を食べるかだって、選び放題。 ご飯のお供に、テレビやネットを楽しみます。おっと ...