思索さん

作品no74:問うということについて

作品no73:不安という概念

今回の作品は、「不安という概念」です。「不安」と聞くと、皆様はどのようなものを思い浮かべますか?どちらかというと、ネガティブなもの、というイメージがあるのではないでしょうか。良くないもの、なくした方が良いもの、そう思われるかも知れません。しかし、哲学の世界では、不安という概念は重要です。特に実存哲学では、その核となるものです。それというのも、人が不安を感ずる時、それは無に触れているからです。 不安は無を対象にする 私たちが恐怖する時、それはある特定のものに対して、恐怖を感じています。目の前のヤンキー、鳴り ...

作品no72:解体学

作品no71:平和の論理

作品no70:口実化される精神主義

今回の作品は、「口実化される精神生活」です。ここでいう精神生活は、たとえば仏教でいう悟りのようなものをイメージしてもらうといいでしょう。悟っている人というと、何があっても動じない、嫌なことをされても全く気にならない、そもそも眼中にない、全てをポジティブに捉えられる、こんな感じですよね。このような不動の精神を手に入れられれば、たしかに幸せな人生を送れそうです。ただ、これは自分一人だけの幸せを考えるならそれでいいのですが、社会という枠組みで考えると、少々まずい気もします。言われたことを何でも素直に受け入れる、 ...

作品no69:悪の陳腐さについて

今回の作品は「悪の陳腐さについて」です。元ネタはこの本。かいつまんで説明すると、人は、自分の意思では絶対にしないようなことでも、組織に属することで、容易にそれをしてしまう。たとえば、コンビニやお弁当屋さんなどで働いている方はイメージしやすいと思います。賞味期限が切れたとはいっても、まだまだ全然食べられるものを捨ててしまう、自宅でそんな勿体ないことをする人は少ないと思いますが、これが組織のルール、そして業務の一環ということになると、本心では勿体ないなと思いながらも、流れ作業のように、食品を廃棄してしまう。も ...

作品No68

今回の作品は「露出強建築」です。「露出強の家に住んでる人は、露出狂だ」なんて冗談はさておき、早速作品の解説に入りましょう。 まず、このような住宅は「海外の映画」とかではよくありがちなんですけど、日本の街中で見掛けることは滅多にないと思います。もちろん、お店とかの場合だと、店内の様子を外に見せたいですから、全然普通のことなんですけど、普通の住宅でこんなことしちゃうと、自分の生活が丸見えになっちゃいますから、嫌ですよね。でも、これはさすがに極端だとしても、これに近い住宅は、ちょいちょい見掛けます。どういう意図 ...

作品no67

今回の作品は、「正義に数字はないということ」です。これまた、風刺画です。 よく、「みんながこう言っているからあなたもこうしなさい。」とか、「みんながこうしているから自分もそうしよう」みたいに、人数の大小を根拠に、物事を決めること、ありますよね。自分だけ違う意見を持っていると、何だか罪悪感を感じたり、それを隠そうとしたり。でも、そもそも人数の大小には、それだけの説得力があるのでしょうか?100人が言っているから正しいに決まっている、と自分の中で思い込んでいても、もっと広く周りを見てみると、200人が真逆のこ ...

作品No66

この記事は2/3ページ目です。 1/3ページ・3/3ページ これに対して、さらに考えを進めたのが、二枚目の作品、「経験論を越える直接経験」です。経験論の改良版、というと、少し語弊があるのですが、イメージとしては、そういう感じです。ロックなどに代表される経験論では、人は経験によって観念を形成していくわけですが、その観念を統合するもの、あるいは判断というものを、経験では説明できませんでした。ただ、これは経験論がぶつかった壁というよりも、そもそも二元論が越えられない壁、ともいえます。経験と経験するものとを分けて ...

作品No65

この記事は1/3ページ目です。 2/3ページ・3/3ページ 今回は、経験論をテーマにした連作です。一枚目は「知識は後天的である-と仮定した場合」、二枚目は「経験論を越える直接経験」、三枚目は「観念連合の諸法則」です。それぞれ順を追って解説していきます。 経験論を本当にざっくり説明すると、人は全くの純粋無垢な状態から始まり、経験を積むことで、知識を蓄え、そして、この積み重ねによって、「私」という人格が形成されていくのだ、というような考え方です。つまり、あらかじめ自由意志のようなものがあって、その意志を持って ...