今回の作品は、「学問・芸術の光が地平に昇るにつれ、徳が逃げて行くのが分かります」です。ちょっと長めの作品タイトルですが、要するに、この本に書いてあることを、私なりに解釈して、絵にした、ということです。ルソーの学問芸術論、私が初めて読んだ哲学書でもあります。では、私がどういう風に解釈したかというと、まず、学問・芸術は素晴らしいものである、それは間違いないと前提した上で、しかし悪い面もある。それは、学問・芸術の知識をいっぱい持っているだけで、その人が偉く見えちゃう。つまり、中身が伴っていなくても、外面だけを装えるようになる、ということ。そして、みんながその外面を追い求めるようになると、同じような型にはまった人間が量産されてしまう。言い換えると、個性がなくなってしまう、ということです。