作品No25

今回の作品は、「資本主義の動力源」です。言わずもがな、現代は資本主義の時代。お金がお金を生む時代です。お金があれば、何でも買える、不思議な時代。でも、普通に考えて、そんな魔法はないわけです。その裏には、それを成立させるための、血と涙の結晶があります。それが資本主義の動力源です。

私たちは、朝も昼も夜も問わず、お金さえ払えば、いつでもご飯にありつけます。少し余裕のある人でしたら、自分の家にご飯を持ってこさせることだって可能です。何を食べるかだって、選び放題。

ご飯のお供に、テレビやネットを楽しみます。おっと、テレビの調子が悪いようです。そんな時は、24時間カスタマーセンター。相手の聞き入れが悪い時は、お金をちらつかせましょう。「俺は、私はお客様だぞ」こういえば、大概のことは自分の意のままです。あれっ、修理代が結構するなあ。そんな時は、もっと安いところを選びましょう。もっと安く、もっともっと安く、すると、あら不思議。あらゆる物が安く手に入ります。

一方そのころ、コンビニ店員aさんは寝不足のようです。断れない性格の彼は、人手の足りない深夜のコンビニを、今日も24時間稼働させるために、頑張っています。

心を痛めながら何かを運んでいる、スーパーの店員bさん。運んでいるのは、廃棄されるお弁当のようです。「棄てるのが分かっているのに、なんでこんなに発注するのだ。」彼女の本音がついポロリ。

それが聞こえてしまった店長cさん。品切れを起こすと、神様にぶちギレられてしまうのだ、と大人の事情を話すわけにもいかず、一人で抱えこんでしまっているようです。

とある企業の社長dさん。他社との価格競争に敗れ、大変困っていました。そんな時に、秘策を思いつきます。「下請け会社に値下げしてもらえばいいのだ。その分だけわが社は安く提供できる」

とある下請け会社eさん。これ以上値下げさせられたら、いよいよ倒産してしまう。でも、この取引先を失ってしまったら、どのみち倒産だ。と絶望していました。そんな時に、秘策を思いつきます。「そうだ、従業員にもっともっと働いてもらおう。給料を上げさえしなければ、その分会社の利益になる。これで倒産を免れるぞ」

とある会社員fさん。「残業は増えるけど給料は増えない」、そんな自虐ネタが、飲み会の定番になっているようです。家族との時間を大切にしたくても、そんな余裕はなく、転職しようにも、スキルに乏しい彼には、他に選択肢などないのでしょう。

fさんの妻、gさん。「夫は仕事ばかりで家庭を省みない。」これまた、お茶会での定番ネタになっているようです。

こんな社会はおかしい、と声をあげる活動家hさん、彼は周りの人から、めんどくさいやつ、変わったやつ、やばい思想の持ち主、と距離を置かれているそうです。

ありがたいことに、このようなガソリンのおかげで、私たちは資本主義という魔法が使えるのです。

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様式解説

1

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2

舞台 ローマ 1492年、芸術文化を支えたロレンツォ・デ・メディチの没後、「フィレンツェ」は、ドメニコ会修道僧サヴォナローラの支配下に置かれ、やや停滞期を迎えます。その一方で、ユリウス二世に代表される ...

3

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4

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5

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6

舞台 フランス 太陽王ルイ14世が主権権を握る「絶対王政期」のフランスもまた、芸術の舞台となりました。自国の土壌で独自の様式を形成して行きます。 背景 フランスへ輸入 イタリア起源のバロックは、国境を ...

7

舞台 フランス 絵画史の中でも、特にロココは時代区分の難しい様式です。そもそもロココとバロックの区分を認めない説もあります。そのため当ブログでは、ロココの特徴が最も顕著に現れている、フランスで展開され ...

8

舞台 フランス 革命期からナポレオン時代にかけてのフランス。ナポレオンは絵画を、自らの理念の「プロパガンダ」として活用しました。そのため、絵画は記録的な意味合いを強めます。 背景 軽快なロココに対する ...

9

舞台 フランス 革命期から王政復古期にかけてのフランス。新古典主義が絵画の主導権を握っていた一方で、その「静的で厳粛な様式」は、人の心を真に動かす力に欠けていました。そんな中、絵画に再び「動き」を取り ...

10

舞台 フランス 第二帝政期、パリの都市改革を始め、社会構造の大きな転換があったフランス。都会人の新しい生活様式などが誕生しました。 背景 産業革命・資本主義の時代 19世紀後半、いよいよ「産業革命」の ...

11

舞台 フランス フランス美術は西洋絵画史の主要舞台の座を確立しました。イギリス風景画の伝統もスペイン画家ゴヤの系譜もフランスに吸収され、オランダ画家ゴッホもこの地での修行を得て覚醒しました。 背景 印 ...

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舞台 フランス 印象派に続き、フランスが芸術の中心地として君臨しています。 背景 印象派の乗り越え 時代の寵児であった印象派も、1886年には最後の展覧会を迎え、いよいよ批判と反省の対象として乗り越え ...

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一般に、スーラ・セザンヌ・ゴーギャン・ゴッホの四天王を総称して後期印象派と呼ぶことが多いです。しかし、当ブログでは個人的な趣きもあって、新印象主義(スーラ)・セザンヌ・後期印象派(その他の画家)という ...

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印象派に並行して、象徴主義が発展 舞台 フランス 象徴主義は各国において多様な発展を遂げました。中でも大きな影響を与えたのは、フランスにおいて展開された象徴主義です。 背景 もう一つの芸術運動 19世 ...

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著作権に対する配慮:当記事に掲載している模写作品の中には、著作権保護期間中のものが含まれています。そのため、「引用元(元絵)の明記」・「引用の必要性」・「画像は自前で用意すること」・「非営利目的」を徹 ...

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著作権に対する配慮:当記事に掲載している模写作品の中には、著作権保護期間中のものが含まれています。そのため、「引用元(元絵)の明記」・「引用の必要性」・「画像は自前で用意すること」を徹底した上で、当記 ...

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-令和四年作品, 風刺画