西洋絵画−オランダ・バロック

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舞台

オランダ

16世紀末、「プロテスタント」勢力の強かったフランドル地方の北部にて、「スペイン領からの独立」を果たした新教国、オランダが誕生しました。

背景

イタリアからオランダへ輸入

イタリア起源のバロックは、国境を超えてオランダにも広がりました。

プロテスタントの国

オランダ共和国として独立を果たし、「東インド会社等の国際貿易」により、目覚ましい「経済発展」を遂げたオランダは、その済力を背景にオランダ独自の「市民文化」を繁栄させていました。

プロテスタントの国」であったオランダでは、「教会よりも商人」が主導権を握ります。

市民的な作品

そのため、一般的なバロックのイメージである「派手な宗教画」は必要なく、むしろ「市民的な作品」が好まれました。そして市民は「身近な世界」に喜びを見出したのです。

特徴と画家

権威よりも親近感

オランダでは、カラヴァッジョの影響を受けながらも、オランダの「市民社会に適応」する形で別の流れが形成されます。

カラヴァッジョはこの記事で登場

この新様式は、「権威的な効果」を狙うよりも「日常的な生活」を切り取りました。

カラヴァッジョの影響

カラヴァッジョ様式を最も典型的に受け継いだのは、レンブラントです。レンブラントはカラヴァッジョ様式の特徴である、「明暗法」の絵画的効果を最大限に発揮しました。

レンブラント・ファン・レイン|1606−69|オランダ

物体の上に流動する光」によって、「画面構成を統一」します。

ゴッホの先駆け?

また、晩年のレンブラント作品に見られる特徴として、「厚く盛り上げられた絵の具」によって演出される、輝かしく魅力ある絵肌が挙げられます。

静かな光

フェルメールもまた、カラヴァッジョ様式を独自に捉え直した一人です。

ヤン・フェルメール|1632−75|オランダ

彼の作品にはカラヴァッジョ風の「激しい動き」は見られず、むしろ「静かな光」に支配された不思議な世界を作り出しました。画題もオランダらしく、「何気ない日常」を切り取ったものが多くなります。

参考文献

美術史〈西洋〉|編・中山公男 中森義宗|近藤出版社

西洋美術史|監修・高階秀爾|美術出版社

西洋絵画史入門史|著・諸川春樹|美術出版社

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