
今回の作品は「悪の陳腐さについて」です。元ネタはこの本。かいつまんで説明すると、人は、自分の意思では絶対にしないようなことでも、組織に属することで、容易にそれをしてしまう。たとえば、コンビニやお弁当屋さんなどで働いている方はイメージしやすいと思います。賞味期限が切れたとはいっても、まだまだ全然食べられるものを捨ててしまう、自宅でそんな勿体ないことをする人は少ないと思いますが、これが組織のルール、そして業務の一環ということになると、本心では勿体ないなと思いながらも、流れ作業のように、食品を廃棄してしまう。もちろんこれはその店員さんが悪いとかの話ではなくて、むしろ店員さんだってやらされている側ですから、誰も責められない。オーナーの人だって、ある意味ではお客様のニーズに答えているわけですから、一概には責められない。じゃあ、ここでの悪とは何なのかというと、「やらされました」、「仕方がありませんでした」、「みんなやってます」というように、大変陳腐なものとなってしまうわけです。