作品№82

今回の作品は、「伝達の不可能性」です。これは私の造語なんですけど、要するに、完璧な伝達は不可能であるということです。よく、「言葉で言ってくれないと分からない」なんていいますけど、結局言葉で言ったところで、分からないものは分かりません。「私はこれだけ一生懸命伝えているのに、なんでこの人は全然分かってくれないんだろう」、と相手に苛立ちを覚えたり、逆に、相手の言葉尻だけを捉えて、相手のことを分かったような気になってしまったり、、、こういうのって、言ってしまえば、伝わるのが当たり前みたいになっています。でも、実際には、言葉で伝えられることにも限度があります。だから「伝達の不可能性」なのです。この「伝達の不可能性」という単語を、頭の片隅にでも入れて頂ければ、いざというときに、寛容な気持ちになれるかも知れません。


様式解説

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-令和五年作品