
情念引力とは?
まず、情念引力とは、19世紀の社会思想家シャルル・フーリエの考案した概念で、「四運動の理論」という本に出てきます。
当時は、ニュートンによって、「万有引力の法則」が発見された時代ですから、その影響を受けているのは、いうまでもありません。
要するに、自分の足だけで立っていると思っていたのが、実はそこには重力という働きがあったのだ。それと同じように、自分の感情にも、自分の意思だけではなくて、何か外側からの働きかけがあるのではないか?
そういったことを、この情念引力という言葉にかけたのだと思います。そしてこの情念引力を絵にして表したのが、今回の作品です。
本当に自分の意思?

今ここに、自殺しようとしている人がいます。
今の時代、自殺というと、「この人が自分の意志で死を選んだ」、なんていわれがちですが、その背景には、「いじめ」や「貧困」、「過酷な労働環境」や「孤独感」など、様々な要因があるはずです。
そうであれば、この自殺というのは、本当にこの人の意志だと言い切れるのか?
自己責任という言葉で片付けても良いのか?
ここには、他の力が働いていたのではないでしょうか。